イヤホン

イヤホンにこだわりを持つ者は多いだろうか。私は持っている。
音質に関してではない。残念ながら耳に心地よいか不快かくらいしか違いが分からないので馬の耳に念仏である。こだわりとは値段だ。私はイヤホンを消耗品として見なしている。

西友に売っている千円前後のイヤホンの中で一番気に入っているのをいつも使う。爆音で聞いても音漏れしない所が気に入っているのだ。音質にはこだわらないと書いたがその価格帯ではかなりの高水準。それに安いので水没しても断線しても、ダメージ少なめなのだ。

ある日イヤホンを無くした。外出して帰ってきただけなのに何故無くなるのか不可解だ。しかし何のために安いものを愛用しているのかを思い出し、西友へ足を向ける。心に決めているイヤホンはあるものの少し他の物にも目を向ける。これは浮気心というより、お馴染みのものがやはり最高であるということの確認作業だ。

まずヘッドホン、有り得ない。持ち運びする際にかさばるし、ベッドの上で寝そべって付けたときに耳が痛くなってしまう。
次に何やら装飾の付いたカナル型イヤホン。これも耳が痛くなる、余計なデザインは本当に困ったものだ。
最後に開放型イヤホン、くたばれば?音漏れし放題だ。こんなものを世間に普及させるのを助長したアップルが憎い。
やはりお前がナンバーワンだ。そう思いながらレジへお気に入りのものを持っていった。

さて、馴染みのものが手に入った。イヤホンの失踪劇など嘘のような気持ちのいい朝が訪れる。
音楽を聞こうじゃないか。耳に新品を付け、携帯音楽プレイヤーをシャツのポケットに入れる。すると奥に何かゴムのような感触を感じた。焦って探った手の平には、綺麗に洗濯されたイヤホンが乗っていた。


五段落縛り:の試みはこれで終わりなのだが、かなり全体を通して読みやすく仕上がった気がする。これは単に短いからというわけではなく、全体の量が予想しやすいからだ。
電子書籍について調べていたときに見たデメリットの中に、″感覚で全体の量が把握できない″というものがあった。本を手にとって読んでいれば「まだこんなにあるんだー、明日は早いしここまでにしよ」とか「もう少ししかないのにどうやって終わらせるんだ!?」とか色々考えられる。映画だって同じ、決められた時間の中にストーリーがあるからこそ集中できるという。確かにいつ終わるか分からないというだけできっと飽きてきてしまうだろう。
思い返せば読みやすいサイトの分量はいつも安定している。これを実践できれば一つ成長できるだろうが、正直不安が残る。