偶像

悲しい刺傷事件を肴にアイドル論について語る者がいる。私はアイドルの追っかけをしたことは無いので、議論に参加する事はできない。しかし似たような体験はした事はある。

まず音楽家の追っかけをしていた事はある。基本的にはCDを買うくらいしかしてないが、尊敬の念を伝えたい余りその人の何て事のない日常ツイートに色をつけてみたりはした。これは今考えると不思議な行動だ。

次に配信者の追っかけをしていた事がある。とーーってもぷよぷよが上手いのだ。見ててワクワクする。それだけ。

最後のこれが一番強い追っかけと思えるが、二次元のキャラクターを愛していた。というか今でも愛してる。原作を深読みしてみたり、どれだけ愛しいかを語る者の意見を聞いたりする。その中で増幅する感情を絵に描いて昇華させていた。キャラクターをなるべく可愛くかっこよく描くこと、それが唯一キャラクターを愛する方法だった。

さて、この程度の追っかけ経歴の私には偶像に抱く疑似恋愛を理解することは難しいのだろうか?
今回出てくるのは恋愛脳を糾弾するような発言ばかりだ。私が知りたいのはそっちじゃないのに、そう思いながら粘り強く探していくとこんな物を見つけた。

みつば @san_you_chu
そりゃ刺された子は不幸だし、刺したオタクは最悪だと思うけど、アイドル業界はそもそも性的弱者の劣情を金に換える面の強いビジネスで、特にファンと距離が近い地下アイドルはその要素が強いから、あくまで起こりうる最悪というか、「ビルの窓拭いてたら紐が切れて落ちた」みたいな話でもあると思う。

どうやら疑似恋愛をさせる所まではアイドル業界のシステムの中に組み込まれているという認識が一部であるらしい。
その恋愛脳の中に裏切られたというような憎悪の気持ちを抱く人間が出てきたというのか?会ってもない人に?いったいどういう経緯で?
だいぶ前のツイートを見つけた。

栗丸 @maron_kurimaru
元ツイみつからなかったけど前にドルオタ界隈の方が言ってた「推しを観たい、ではなく、推しに見られたい、と思った瞬間が迷惑ヲタの始まり」っていうのをぬいぐるみ持って観劇したりカテコで役者に声掛けたりしてる奴を見る度に思い出す

これはかなり心に来る言葉だ。ファンレターを送る心理はこれにあたるのだろうか?尊敬していますという念を伝えたいというファンの気持ちと、その気持ちを笑顔で受け取らざるを得ないアイドル側。その唯一の交流とも言える要素を剥奪されるのは勿論ファンにとっては苦痛だろう。
しかしこの気持ちが始まりだというなら、″交流″が憎悪の始まりだというならそれは腑に落ちてしまう。交流で相手に憎しみを持つなんてこと誰にだってよくある事なのだから。

交流している間にファンとしての自分に自我が芽生え、不特定多数へのメッセージを送れる環境がアイドルの全ての発言を自分のための物と思わせた。少しずつ恋愛脳の追っかけの理解に近づいてきたように思う。

しかしながら、この事件の容疑者に当てはまるかは疑問だ。マイナーアイドルを狙って執拗にコメントを残す姿はやはり、″会える″アイドルではなく″付き合える″アイドルと勘違いしているようにしか見えない。アイドルが自分への好意を無下にはできない事を利用している、これは新しい追っかけの仕方だ。

もう一つの問題が、警察に相談していたという事実だ。夜警国家としての一面は福祉国家の姿を要求されたところで消えるわけではない。しかし万人の悪意が露出してるいる中で全てに対応なんて無理に決まってるし、優先順位をつけた結果この件が下位だったというならそれはそうなのだろう。もう少し公務員に頑張って欲しいなら、警察の仕事の範疇である刑事事件にストーカー規制法が入り込むしかない。それまでの間、誰がアイドルを守ってくれるというのだろうか?

会えるアイドルへの追っかけなんてキャバ嬢に付きまとう常連と同じレベルなのだから怖いお兄さんを付けても良いくらいだ。そういう意見を見て少し共感してしまった。しかしこれを期に勘違いの親衛隊気取りが世に溢れるとすれば、それもまたアイドル達にとっては鬱陶しい話なのだろう。
正解はやはり、到底分かりそうになかった。


意見の収集:にあたってカテゴリ雑談メインの2chは適当なサイトだが、Twitterもかなり良い。尋常じゃない数の意見もRTの数でふるいにかけていけば皆の共感する意見が分かる。
しかし長文でいくつも連投するのは感心しない。クソリプを想定し予め誤解を招かないようするためか、短い文に注釈を付けまくっていて読みにくいのだ。
同じ文量なら推敲のできる場所の方が適切だろう。だから個人でサイトを持ってそこへのリンクを貼ろうじゃないか。

……ここでテキサイ勧誘してもしょうがないか^^;