ぷよぷよ界の膿

4月頭にゲーム業界に嫌な風が吹いた。それはヤフーニュースとしても取り上げられ、記事の名前はこのようになっている。

『ぷよぷよ』のプロスポーツ化を目指すクローンゲーム『Magical Stone』資金源の一部はRMTだった

安心して欲しいのだがここに出てくる用語全てを知っていてもこの文章を理解する事は難しい。ただ、何も知らなくても違和感を覚える文面がある筈だ。
「『ぷよぷよ』のプロスポーツ化を目指すクローンゲーム『Magical Stone』」?
何故ぷよぷよのプロスポーツ化を目指すのにクローンゲームを使う必要があるのか。
これにはぷよぷよ界に蔓延るコミュニティの膿が関係してくる。


ぷよぷよの生みの親コンパイルは1998年に経営破綻しぷよぷよブランドはSEGAが引き継ぐ事となった。ぷよぷよのマーケティングは二つの会社で大きく違う。コンパイルは魔導の世界の対戦ゲーとしてのぷよ、SEGAは子供向けパズルとしてのキャラゲーとしてのぷよ。今ではぷよぷよといえばSEGAのソーシャルゲーム「ぷよぷよクエスト」の方がメジャーなのではないだろうか。

ぷよぷよ創成期、元ACぷよぷよ通全1のインタビューの中にこうある。

″当時はインターネットが無かった時代で、ゲーム大会の情報を事前に知るのは子供である自分にとって至難の業だと思いました。
でもその頃はアーケード版のぷよぷよ通が稼動し始めていた事もあって、
もしかしたらゲームセンターに網を張っていれば大会情報が手に入るんじゃないかと思ったんです。
それで駅沿いを中心にゲームセンターを探しに探して、見つけたゲームセンターを定期的に渡り歩いて大会や対戦会の情報を仕入れました。″

大会で対戦するにはコミュニティは必須。そんな状況で出来た人間関係があった。

そしてコンパイル経営破綻。ぷよらーはゲームセンターの中に篭り狭いコミュニティの中で存在を守る道を選んだ。

ぷよぷよ黎明期、ぷよぷよフィーバーオンラインの発売。多くのプレイヤーがネット対戦を楽しめるこのゲームは長年愛されていた。

しかしSEGAの出すゲーム全てにケチを付ける存在があった。懐古AC信者の一部だ。
『3手4色はゴミ』『お邪魔硬直が長い』『カウントがセット制』『クイックはいらない』『クロスができない』
そう、内向きのコミュニティは中のプレイヤーに客観視を忘れさせた。海外ゲーマーの作った海賊版ぷよ、基盤吸い出し前提の豆ぷよ、これらを進んで配信するトッププレイヤー達、そしてその真似をする初心者の増加でプレイヤーの民度は既に最低レベルまで落ちていた。

コミュニティが内向きであればあるほどモラルの急激な低下は免れられない。ぷよぷよが上手くなりたいとコミュニティに所属した人間程手段というものに敬意を払わなくなっていった。

そして祭り上げられた猿山の大将達はSEGAのマーケティングにまで不満を抱き始めた。ぷよぷよの競技性を無下にしていると感じ自らの手で日本ぷよ連盟を創立した。

大会の開催などで盛り上げながらゲームの発展を願い、動画サイトで多くの人の目に触れる機会を作り出した。興味を持つ人は確実に増えたがそのまま初心者から初級者になる者の割合は多くはなかった。その壁としてはだかる物の一つがコミュニティに育まれた身内ネタだった。初心者歓迎と言いながら身内以外を排斥するその姿勢は村社会の体裁を為していて、違和感を覚える新規プレイヤーを冷静に客観視させるに足りうるものだった。

化石のような筐体にしがみつき自らを讃えるコミュニティの崩壊を恐れるAC勢の努力も虚しく、SEGAの次なる手はぷよぷよクエスト。これはコンシューマーゲームの客層とは違い文句も言わず月に五億をSEGAに落とす。家庭用ゲーム機は売れて10万、5000円前後、それしか出さないでサーバーを擦り切れるまで圧迫する客とどちらを待遇するかなど目に見えて明白。その絶望感はAC勢だけではない、プレイヤー全体にコンシューマーゲームぷよぷよに手を抜くのではないかという不安が広がっていった。

その中で不穏な動きを見せる者がいた。この者こそRMT業を生業にする会社社長だ。彼は古参プレイヤーに語った。
「SEGAはもう何もしてくれない。我々の目指す競技性の高いぷよを華々しい舞台に持って行くにはぷよぷよのブランドを捨てた新たなゲームを自分たちの手で生み出す必要がある」 
この古参プレイヤーの一人は格ゲーマーとの親交がありe-Sports化著しい格闘ゲームとぷよぷよを比較していた。
e-Sportsとはゲームを用いたスポーツの競技の一種で、賞金をかけた大掛かりな大会を配信をする事もある程人気な国もある。
華々しい舞台とはここではe-Sportsのことを指す。そう、言わば彼らは ぷよぷよを″将棋″にしたいのだ。これは明らかにコミュニティの中で育まれた客観的でない選民意識の賜物であり、そこにSEGAには頼れないという安易な風潮が組み合わさったぷよ界史上最悪の方程式だ。

ここから先は言うまでもない。古参プレイヤーは他のプレイヤーを集めこの企画に巻き込む。コミュニティの中の連帯意識や同調圧力は、不透明な出資元は愚かその手段が正しいかどうかさえも疑問に思うことを許さなかった。そしてクローンゲーム「マジックストーン」は統一された対戦環境として発表され、企画者は運営側で結成されたプロプレイヤー達の間で賞金を奪い合う異様な企画を前面に出してきた。その後発覚する出資元の一部がRMTであるという事実。
RMTとは現実世界の現金とゲーム内におけるアイテムの交換することを指し、殆どのゲームでは利用規約違反にあたる。
これはe-Sportsの″スポーツ″という観点から受ける神聖さとはかけ離れたものである。同時期にRMT業者の生み出した損害によりサービス終了に追い込まれたyahoo!版DQ10のユーザーがこれを拡散。この煽りを受けてプロゲーマーのチームは2ヶ月も経たず解散を発表した。

私はこのぷよ界に残る過去最悪の事件を腐敗したコミュニティに一因があると考えている。代表であるトッププレイヤーが仲間の違法行為を止めようともしない、初心者の排斥、同調圧力で誰もおかしな案に異を唱えることができない、客観的な視点を失ったことで自分がノイジーマイノリティであることを忘れ歪んだ選民意識を持った者、地に堕ちたモラル。

この集団に自浄作用を期待するのは歴史から学ばない愚か者のすることだ。こんなことで大切なコミュニティが壊れるのは嫌だ、古参はそう語るが改善策も無いのにまた同じ人間を寄せ集めても歴史は繰り返される。安易なコミュニティの再結成を唱える老害に私は警鐘を鳴らす。


お礼:ここまで読んで頂きありがとうございます。この記事ではぷよぷよの歴史を分かりやすく物語調にしコミュニティの膿を取り除く努力をすべきだという主旨を設けました。恐ろしい事にこの事件はまだ収束していない現在進行形の出来事です。ぷよらーとして影ながら見守ることしか私にはできませんが、情報の再編集という形で今後何かあった時に備えようと思います。

しかし私自身はぷよぷよというゲームの楽しさを疑っていません。やったことがない人は良ければ大連鎖動画などからでも触れていただけると嬉しいです^^^^^^^^^^^^^